本の同じページを何度読んでも分からない。動画を巻き戻しても、同じところで手が止まる。
せっかく勉強する時間を作ったのに、分からないことを一つ抱えたまま終わってしまうと、次に教材を開くのも面倒になりますよね。
こういうときは、「理解できるまで頑張る」の前に、どこで止まっているかを整理し、次の行動を選んでみてください。
知らない言葉を調べれば進めるのか。自分では気づけない間違いを誰かに見てもらう必要があるのか。先の例を読んだほうが分かるのか。必要な対応は、つまずき方によって変わります。
この記事では、プログラミングやExcelなどを独学する社会人に向けて、調べる・質問する・先に進む・基礎へ戻る判断基準を紹介します。今使っている教材と、自分の途中結果があれば始められます。
「全部わからない」を、止まった一か所に絞る
何をしようとして、どこまではできて、どこからできないのかを書きます。
「プログラミングが分からない」だと、調べる範囲が広すぎます。
説明用の例として、教材のデータを読み込み、表として表示する練習を考えてみます。「データを読み込めない」なら、困っている作業が少し具体的になります。
さらに、「コードは入力できた。実行するとエラーが出る。ファイルをどこに置けばよいか分からない」と書けば、最初に確認する内容を絞れます。
正しい専門用語で説明できなくても構いません。次の4項目を、自分の言葉で埋めてみましょう。
- やりたいこと:どんな結果になればよいのか
- 今の結果:実際には何が起きているのか
- できたところ:どの操作や説明までは分かるのか
- 止まったところ:どの言葉、操作、考え方から分からないのか
書けない項目があれば、そこへ戻って確認します。期待する結果が分からないなら例題の完成形を見ます。どこで止まるか曖昧なら、操作を最初から一つずつ試し、教材と違う結果になる場所を探します。
分からない理由まで、最初から言い当てる必要はありません。 まずは、自分の手元で起きていることが分かれば十分です。
調べるか、質問するか、先へ進むかを決める
足りない情報を自分で確かめられるか、その内容が次の学習に必要かで進め方を選びます。
「分からないことは全部質問する」も、「全部自分で解決する」も、そのままでは使いにくい方針です。
今の状態を、次の表に当てはめてみてください。
| 今のつまずき | 次にすること |
|---|---|
| 知らない用語や、見落とした操作がある | 索引、該当する説明、公式の案内で調べる |
| 教材と違う結果になり、理由を切り分けられない | 途中結果と試したことを整理して質問する |
| 詳しい理由は不明だが、基本の例題はできる | 疑問を残し、次の例や説明を読んでみる |
| 前提となる用語や基本操作が分からない | その内容を説明している章へ戻る |
先へ進んでもよいのは、今分からない内容を保留しても、次の課題に取り組める場合です。操作できないまま、完成したつもりで先へ進むことではありません。
プログラムのファイルを開けないのに、そのファイルを使う応用課題へ進んでも、同じところで止まります。この場合は、先に開く手順を確認する必要があります。
逆に、基本の例題はできていて、詳しい仕組みの説明だけが分からないなら、具体例を先に見る選択肢があります。疑問と戻る場所をメモし、区切りで再確認しましょう。次の説明にもその知識が必要だったら、基礎へ戻ります。
自分で調べるときは、確認するものを一つずつ変える
一度にいくつも変更せず、何を確認して結果がどう変わったかを残します。
検索で見つけた方法を、次々に試したくなることはありませんか?
教材にはないコードを足したり、設定を変えたりしているうちに、最初とは別の状態になってしまう。そうなると、何が原因だったのか、どこへ戻せばよいのかも分かりません。
まず、入力内容やファイルを保存して、試す前の状態へ戻れるようにします。そのうえで、教材との差を一つずつ確認してください。
検索するときも、「動かない」だけではなく、表示されたメッセージ、使っているソフト、試している操作を手がかりにします。教材と画面が違うなら、ソフトの種類やバージョンの違いも確認対象です。
- 確認したこと:何を調べ、どの説明を見たか
- 試したこと:どこをどう変えたか
- 結果:変わったこと、変わらなかったこと
同じ説明へ何度も戻り、次に試すことが出てこなくなったら、調べ方を変えるか質問する時点です。「何分考えたか」だけで判断せず、新しく確かめられることが残っているかを見ます。
一方、例題の一行を変えて結果の違いを確かめられているなら、それ自体が勉強です。すぐ正解が出ないというだけで、毎回切り上げる必要はありません。
質問するときは、答えてほしいことまで書く
質問相手が自分と同じ状況を確かめられるよう、教材・途中結果・疑問をまとめます。
「ここが分かりません」だけでは、相手は状況を聞くところから始めなければなりません。
最初に書いた4項目へ、教材の場所、使っている環境、試したことを足します。最後に、今回答えてほしい問いを一つ書いてください。
〇〇講座の「データを読み込む」の例題に取り組んでいます。使っている環境は[ソフト名・バージョン]です。
教材と同じ表を表示したいのですが、実行すると[実際のエラー全文]が出ます。コードは[問題が起きる範囲]のとおりです。
ファイル名と保存先は確認しましたが、結果は変わりませんでした。教材の[該当箇所]も読み直しました。
ファイルを置く場所の理解が違うのではないかと考えています。どこを確認すればよいでしょうか?
角括弧の部分は、自分の実際の内容に置き換えます。エラーは記憶で言い換えず、表示された内容を残しましょう。共有するファイルやコードは、会社の情報を含まない練習用のものを使います。
プログラミングの質問については、Stack Overflowの公式ガイドでも、調べたことや問題を再現するための情報を含めるよう案内されています。
質問先は、利用中の教材の質問窓口や、その分野に詳しい人などです。教材に質問できる仕組みがある場合は、対象範囲や受付方法を確認して使ってみてください。
質問先が見つからないときは、同じ内容を扱う別の解説や、より基本的な例題を確認します。それでも同じ状態が続き、添削や質問への対応が必要だと分かったら、オンライン学習サービスの支援内容を比較する記事も選択肢を整理する材料になります。
答えが分かったら、自分でできるかを確かめる
解説を読んで終わらず、止まっていた作業を自分の手でやり直します。
説明を聞くと、分かった気になりますよね。でも、実際にやってみると、また途中で迷うことがあります。
答えをもらったら、まず止まっていた例題をやり直します。期待した結果になったか、どこを変えたから進めたのかを確認してください。
その後で解説を閉じ、もう一度自分で操作します。難しければ、まだ必要な説明へ戻りましょう。何も見ずにできたかだけでなく、迷ったときに確認すべき場所を把握することも、次の学習に役立ちます。
答えのとおりに試しても解決しなかった場合は、その結果を追記して聞き直します。相手の説明がどこから分からないのかを伝えても構いません。
独学で止まったときに、毎回同じ頑張り方をする必要はありません。まず、やりたいことと今の結果を並べて書く。そこから、調べる、質問する、先に進む、戻るのどれを選ぶか決めてみてください。


コメント