すべてのタスクはサイクルである

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仕事を始めようとしたのに、まずはファイルを探す。料理を始めようとしたのに、まずはテーブルを片付ける。

やりたいことは決まっているのに、その前に別の作業が入ってしまうことってありませんか?

こうした場面を考えていて、すべてのタスクはサイクルであり、それを途中で止めると、ほかのタスクもうまく回らなくなるのではないかと思いました。

ここでいうサイクルは、作業を始めてから、次にまた動ける状態が整うまでの一周です。料理を作ることも、ファイルを使って仕事をすることも、その一周として捉えてみます。

今回は、仕事と日常生活の例から、タスクがどこで止まり、ほかのタスクへどう影響するのかを考えてみたいと思います。

目次

すべてのタスクを、一周するサイクルとして考える

タスクは、次にまた動ける状態を整えるところまで含めて一周と捉えます。

料理なら、作って食べれば食事の目的は果たせます。でも、その後には食器を洗ったり、使った道具を戻したりする作業が残っています。

この続きまで含めてみると、料理は次のようなサイクルになります。

料理を一周のサイクルとして見る
  1. 食材や道具を用意して、料理を作る。
  2. 食べる。
  3. 食器や道具を洗い、使った場所を片付ける。
  4. 道具を戻し、次に料理を始められる状態にする。

次の食事を作るときには、またこのサイクルが回り始めます。

洗濯も、「洗う → 干す → 取り込む → しまう → また服を取り出して着られる」と考えられます。洗濯機が止まった時点や、服が乾いた時点は、その一周の途中です。

毎回まったく同じことをする必要はありません。献立が変わっても、着る服が変わっても、使うものを用意し、作業し、次に使えるようにする流れはあります。

日々のタスクを、こうしたサイクルの集まりとして見てみる。これが今回の考え方の出発点です。

成果が出ても、サイクルが一周したとは限らない

目的を果たしたところで手を止めると、サイクルの後半が残ることがあります。

食事を終えたときには、お腹は満たされています。洗濯物が乾いたときには、服はきれいになっています。目に見える成果があるので、そこで終わったように感じても不思議ではありません。

仕事でも、同じように考えられます。

Excelでデータを整理し、ファイルをデスクトップへ保存したとします。必要な計算や集計は済んでいて、その日の作業は終わったように見えます。

ところが、似た名前のファイルが増えて、どれを使えばよいか分からなくなったらどうでしょうか。次にデータを使う際は、ファイルを開く前に探す必要があります。

「取り出す → データを処理する → 内容が分かる名前と場所で保存する → また取り出して使える」。この一周で見ると、次に取り出せる状態を整えるところが残っていたわけです。

保存したデータは、そのまま成果として残します。一周するというのは、処理する前の内容に戻すことではありません。成果を残しながら、次の作業を始められるようにすることです。

前回のサイクルに残した作業が、今回の開始時に現れる。ファイル探しから仕事が始まる場面は、こう捉えられるのではないでしょうか。

途中で止まったサイクルが、別のサイクルも妨げる

一つのサイクルに残ったものが、場所や道具を共有する別のサイクルの邪魔になります。

影響するのは、同じ作業の次回だけではありません。

ポストに入っていた郵便物をダイニングテーブルまで持ってきて、そのまま置いた場面を考えてみます。

郵便物の処理には、「受け取る → 内容を確認する → 必要な対応をする → 保管・処分する」という流れがあります。テーブルに置いたところで止めると、まだ確認も処理も済んでいない書類が、その場所に残ります。

一方、料理のサイクルでも、そのテーブルを食材の準備に使いたいとします。すると、料理を始める前に郵便物を片付けなければなりません。

どれを捨ててよいかも分からなければ、中身の確認から始まります。料理を始めたいのに、途中で止まった郵便物のサイクルを先に進める必要があるということです。

洗濯物でも、取り込んだ服をテーブルへ積んだままにすれば、同じことが起こりえます。服を洗って乾かすところまでは済んでいても、しまうところで止まっているため、食事の準備が進められません。

こうして見ると、仕事や家事は別々に存在しているようで、使う場所や道具を通じてつながっています。

一つのサイクルを途中で止めることが、ほかのサイクルにまで影響する。最初に感じた「なんだかうまく回らない」の中には、こうしたつながりがあるのだと思います。

次に必要な状態から、サイクルの一周を決める

次に使える状態と、ほかのサイクルへ空ける場所を考えると、一周の範囲が見えてきます。

では、どこまで進めれば一周したと考えられるのでしょうか。

料理なら、次に必要な道具を使えること。洗濯なら、着たい服を取り出せること。ファイルなら、必要なデータを見つけて開けることです。

さらに、途中で使った場所が、別の用途に使える状態になっているかも見ておきます。郵便物や洗濯物を処理した後にテーブルが空けば、料理や食事のサイクルを始められます。

片付けや保存は、この一周を成り立たせるための工程として考えられます。「余裕があったら最後にやる」としていた部分も、どこかのサイクルが必要としているのかもしれません。

ただし、一周を大きく決めすぎると、今度は回し切るのが大変になります。毎回キッチン全体を徹底的に掃除したり、ファイルを細かく分類したりするところまで含める必要はありません。

次に使えるか、別の作業を邪魔していないか。まずは、この二つを満たす範囲で考えてみてください。

ファイルの保存場所を具体的に見直したい場合は、デスクトップを整理するコツも参考になります。

一周できないときは、ほかを止めない形で保留する

途中で止める必要があるときは、ほかのサイクルを妨げない保留場所と再開のタイミングを決めます。

すべてのタスクをサイクルとして捉えても、毎回その場で一周させられるとは限りません。郵便物の返事に確認が必要だったり、洗濯物が乾くまで待ったりする時間もあります。

そんなときは、サイクルが途中であることを意識して、止め方を決めておくのがよさそうです。

郵便物なら、返事が必要な書類を専用のトレーへ置き、いつ確認するかを決める。まだ郵便物の処理は完了していませんが、テーブルを空けておけば、料理のサイクルは回せます。

ただ別の場所へ移すだけでは、そこで別の作業の邪魔になるかもしれません。洗う前の食器を調理台からシンクへ移し、今度はシンクが使えなくなったとしたら、影響する場所が変わっただけです。

保留する場所と、次に使う場所や道具が重ならないか。いつ、何をすれば続きを進められるか。この二つまで考えて、途中の状態を残す必要があります。

一つのサイクルを回し切ることが、ほかのサイクルにもつながる

うまく始められないタスクを見つけたら、その手前で止まっているサイクルを探してみましょう。

仕事が進まない、家事が片付かないとき、その作業だけを早く済ませようとすることがあります。でも、始める前に別の作業が必要なら、そこまで含めて見ると違う原因が見つかるかもしれません。

止まっているサイクルを見つける三つの問い
  • このタスクは、どこまで進めれば一周するのか。
  • 今はどこで止まっていて、何が残っているのか。
  • 残っているものが、どのサイクルの邪魔をしているのか。

まずは、いつも探しものや片付けから始まる作業を一つ選んでみてください。前のサイクルのどこを進めれば、その手間がなくなるかを考えてみます。

すべてのタスクはサイクルであり、途中で止めてしまうと、ほかのタスクもうまく回らなくなる。私は、日々の仕事や家事をこう捉えてみたいと思います。

一つのサイクルを一周させることは、ほかのサイクルを回せる状態にすることにもつながる。作業が終わったと思ったときに、その一周は本当に終わっているか、少し振り返ってみたいですね。

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