サイクルを一周させるルーティンの作り方

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料理を始める前に、テーブルの郵便物を片付ける。仕事を始める前に、前回使ったファイルを探す。

こうした手間が繰り返されるなら、どのようなルーティンを設定すればよいのでしょうか?

前の記事「すべてのタスクはサイクルである」では、次に動ける状態までをタスクの一周と捉え、途中で止めたサイクルが、ほかのサイクルも妨げるのではないかと考えました。

今回はその続きを、具体的な行動にしてみます。始めるきっかけと、一周したといえる状態を決め、その間の工程をつなぐ。この考え方で、自分の仕事や家事のルーティンを一つ書き出してみましょう。

用意するものは、手元のメモで十分です。以下の例は、自分の生活に合わせて調整するための案として読んでみてください。

目次

困っている作業から、手前で止まったサイクルをたどる

まず、探しものや片付けから始まる場面を一つ選び、その手間を残したタスクを見つけます。

最初から、一日の仕事や家事をすべて書き出す必要はありません。「始めたいのに、いつもここで止まる」という場面から考えてみます。

料理を始めようとして、郵便物でテーブルが埋まっていたとします。料理の前にその都度テーブルを片付ける、というルーティンも考えられます。でも、それだけでは郵便物がテーブルに残る流れは続きます。

そこで、もう少し前へたどってみます。郵便物をポストから持ってきて、置いたところで処理が止まっていないでしょうか。

この場合、設定したいのは「受け取った郵便物を、どこで確認し、どこまで処理するか」というルーティンです。テーブルを使う料理の側から見ることで、郵便物のサイクルに残っていた工程が見えてきます。

困っている作業と、ルーティンを見直す作業が違う場合もあります。「料理の前に郵便物をどけている → 郵便物の確認と仕分けが途中で止まっている」と、一組にしてメモしてみてください。

一周の終わりを、次に必要な状態で決める

同じサイクルを次回始められ、ほかのサイクルも場所や道具を使える状態を、一周の終わりにします。

見直すタスクを選んだら、何をもって一周とするかを決めます。

郵便物なら、内容を確認し、必要な対応を済ませ、書類の保管や処分まで終えていること。加えて、確認に使ったテーブルが空いていることです。ここまで進めば、次の郵便物を受け取るときも、料理を始めるときも、その場所を使えます。

ほかの作業でも、次のように考えられます。

タスク 一周したといえる状態の例
Excelの作業 内容が分かる名前で所定の場所に保存され、次回使うファイルを選んで開ける。
食事 食器や道具を洗って戻し、次の料理に使う調理台とシンクが空いている。
洗濯 乾いた服を収納してまた取り出せる。取り込むために使ったテーブルも空いている。

「きれいに片付ける」だけだと、人によって終わりの範囲が変わります。「食器を並べられる」「必要なファイルを開ける」のように、次にできることを言葉にすると確認できます。

一周の範囲を広げすぎないことも必要です。料理のたびにキッチン全体を徹底的に掃除するところまで含めると、毎回の負担が大きくなります。次に必要な状態が整うところで区切ると考えてみましょう。

場所や道具を複数の人で使うなら、その終わりの状態を共有しておきます。自分では片付けたつもりでも、次に使う人が道具の場所を探すようなら、そこは調整する余地があります。

始めるきっかけから、最後の工程までをつなぐ

何が起きたら始めるかを決め、一周の終わりまでの行動を順番に並べます。

「時間ができたら郵便物を処理する」では、いつサイクルを動かすかが決まっていません。「ポストから取り出したら確認する」のように、始める場面を決めてみます。

すぐに内容を確認できる場合なら、次のような流れが考えられます。

郵便物を受け取った後のルーティン例
  1. ポストから取り出した郵便物を、決めた場所で開く。
  2. 内容と期限を確認し、必要な対応をする。
  3. 残す書類を所定の場所へしまい、不要なものを処分する。
  4. 確認に使った場所を空け、一周の終わりの状態になったか確かめる。

対応に確認が必要な書類は、次の章で扱う保留の流れへ分けます。その場ですべて片付けられることを前提にしなくても構いません。

Excelなら、「ファイルを開く → データを処理する → 名前と保存場所を確認して保存する → 次回使うファイルが分かるか確かめる」という順番です。集計後の保存まで、あらかじめ一つの流れに含めておきます。

洗濯も、「洗う」と決める際に、干す場所、取り込んだ後にしまう場所まで考えておきます。取り込んだ服を毎回テーブルへ積んでしまうなら、「取り込んだら収納先ごとに分け、そのまましまう」という流れを試す案が考えられます。

サイクル全体を書いてみると、いつも抜ける工程や、道具の置き場所が遠くて止まる工程が見つかるかもしれません。行動の順番と一緒に、無理なく最後まで進められる配置かも見てみてください。

途中で止めるときの、置き場所と再開条件も決める

一周できないときは、ほかを妨げない保留場所と、続きを進めるきっかけを決めます。

返事に確認が必要な郵便物や、乾くのを待っている洗濯物は、途中で止まる時間があります。急ぎの仕事が入って、作業を中断することもあるでしょう。

こうした待ち時間があるなら、その状態をルーティンの中に含めておきます。

郵便物なら、対応が残った書類を専用トレーへ置き、「誰に何を確認するか」をメモする。そして、期限に間に合う確認日時を予定へ入れる、といった流れです。確認が取れたら返事をし、保管や処分まで進めます。

トレーへ移した時点では、郵便物のサイクルはまだ途中です。ただ、テーブルを空けておけば、料理のサイクルは動かせます。サイクルの完了と、ほかのサイクルが動ける状態を分けて考えるわけです。

保留場所だけを決めても、そこに未処理のものが積み重なっていくかもしれません。「確認の返事が来たら再開する」と決める場合も、返事が来なかったときに見直す日時を残しておきます。

帰宅直後に郵便物を開く余裕がないなら、最初から専用トレーに入れ、夕食後など確認できる場面を決める方法もあります。自分の生活の中で、どこなら続きを動かせるかを考えてください。

一つ書き出し、次のサイクルで確かめる

ルーティンを一組書き出したら、次回の開始時に同じ探しものや片付けが残るかを確認します。

ここまでの内容を、手元のメモへまとめてみましょう。まずは、この型の空欄を一つずつ埋めていきます。

ルーティンを設計するメモ
  • 困る場面と、その手前のタスク:____
  • 始めるきっかけ:____
  • 一周の工程:____ → ____ → ____
  • 一周したといえる状態:____
  • 保留場所と、再開するきっかけ:____

郵便物の例なら、次のように書けます。

料理の前に郵便物をどけているので、郵便物の処理を見直す。ポストから取り出したら内容を確認し、対応、保管・処分まで進める。必要な対応が済み、テーブルが空いたら一周。確認が必要な書類はトレーへ入れ、確認する内容と日時を予定に残す。

書き出したルーティンを試したら、次に料理を始めるときにテーブルの状態を見てみます。まだ郵便物が残っていたら、置く場所が決まっていなかったのか、確認する時間が取れなかったのか、止まった工程を確かめます。

ファイルの保存なら、次の作業で必要なファイルを選んで開けるかを確認します。保存に手間がかかりすぎて続かないなら、分類を細かくしすぎていないかを見直す、といった調整も考えられます。

毎回の確認も、その場で「始められたか」「何が残っていたか」を振り返る程度からで十分です。ルーティンを管理する作業まで大きくしてしまう必要はありません。

一周の終わりを決め、その状態まで進める流れを作り、次のサイクルが動くか確かめる。まずは、いつも何かの後始末から始まる場面を一つ選んで、そこにつながるルーティンを考えてみてください。

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