資料から「あなたの頑張りが見えない」と言われたあなたへ

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昇格試験の資料を見せたとき、「あなたの頑張りが見えない」と言われたことはありませんか?

課題も、施策も、成果も書いている。それでも、自分がどのように仕事を進めたのかが伝わらない。

その原因の一つは、資料を筋道立てて整理する過程で、試行錯誤や判断まで削っていることかもしれません。

必要なのは、論理と物語の組み合わせです。論理で成果を理解してもらい、物語で成果を生み出したあなたを知ってもらいます。

この記事では、重要な場面を「時系列+本人の判断」で書き直す方法を紹介します。

目次

きれいな説明ほど、仕事は簡単に見える

課題から成果までを短く整理すると、途中で発揮した能力まで消えることがあります。

昇格試験の資料では、「課題、原因、戦略、施策、成果」という順番で説明することがあります。内容を理解しやすい一方で、最初から正解が分かっていたようにも見えます。

実際の仕事は、そんなにきれいには進みません。問題を特定できない。考えた施策が進まない。関係者から反対される。想定外の制約が見つかり、計画を変える。そうした過程を経て、ようやく結果につながります。

しかし、「課題に対してAを実施し、Bを達成した」とだけ書けば、何を達成したかは分かっても、あなたがどこで考え、何を動かしたのかは見えません。

「頑張りが見えない」とは、作業量ではなく、成果に至るまでの本人の動きが見えないという指摘ではないでしょうか。

少年漫画は主人公の過程があるから応援したくなる

結果だけでなく、困難にぶつかってから立ち上がるまでを見ることで、読み手は主人公に感情移入します。

少年漫画の主人公が強敵に勝ったとします。最後の一コマだけを見ても、「主人公が勝った」という事実は理解できます。しかし、それだけで主人公を応援したくなるでしょうか。

かなわない相手に挑み、負け、悩み、仲間に支えられ、それでも立ち上がる。その流れを知っているからこそ、最後の勝利を自分のことのように喜べます。

仕事の説明も似ています。「業務フローを変更した」「関係部署の合意を得た」と結果だけを見せれば、何が起きたかは伝わります。ところが、なぜ難しかったのか、そこで本人がどう動いたのかがなければ、読み手はその仕事へ入り込めません。

論理だけで人は動きません。物語で人は動くのです。

ただし、昇格試験は感情だけで決まるものではありません。筋道立てた説明を骨格にして、重要な過程を加える必要があります。

物語は「時系列+本人の判断」で作る

出来事を発生順に並べ、転換点で何を考えて選んだのかを加えます。

物語とは、仕事の始まりから終わりまでを時系列で説明することなのでしょうか。

時間の流れは必要です。しかし、出来事を順番に並べるだけでは活動日記になります。

4月に関係者へ説明した。
5月に意見を集めた。
6月に提案を修正した。
7月に合意を得た。

この説明では、なぜ意見を集め、何を根拠に提案を変えたのかが分かりません。

読み手が知りたいのは日付だけではなく、その時点で何が分かり、本人がどう判断したかです。

成果までの過程を作る4つの要素
  1. 壁:何が原因で仕事が進まなかったか
  2. 行動:状況を把握するために何をしたか
  3. 判断:得られた情報から何を選び、何を変えたか
  4. 変化:その働きかけによって何が動いたか

すべての出来事を書く必要はありません。方針を変えた場面や、停滞していた仕事を前へ進めた場面を選びます。

短い時系列に判断を加える

「何をしたか」の間に、「なぜ次の行動を選んだか」を補います。

以下は、関係部署と業務フローを変更する場面を想定した仮想例です。

結果だけなら、次の一文で説明できます。

関係部署と調整し、新しい業務フローについて合意を得た。

ここに時間の流れと判断を加えます。

当初は、関係部署へ一括で説明すれば合意を得られると考えていた。しかし、会議では部署ごとに異なる懸念が出て、結論を出せなかった。そこで各部署へ個別に話を聞き、共通する論点と固有の論点を整理した。一括導入は難しいと判断し、段階的な導入案へ変更した結果、合意を得られた。

後者からは、問題への気づき、情報収集、方針変更、周囲への働きかけが見えます。「調整を頑張った」と主張しなくても、本人の役割が伝わります。

見せるのは苦労ではなく、自分が生んだ変化

大変だったことを並べず、自分の判断によって状況がどう変わったかを示します。

頑張りを伝えようとすると、「何度も打ち合わせをした」「最後まで諦めなかった」と書きたくなります。しかし、回数や感想だけでは、昇格後にも発揮できる能力は伝わりません。

資料に残すのは、次のような転換点です。

資料へ残す転換点
  • 想定と現実の違いに気づいた
  • 集めた情報をもとに方針を変えた
  • 相手に合わせて働きかけを変えた
  • 自分の判断で仕事を前進させた

チームの成果を自分だけのものにせず、自分が担った部分を具体的にします。うまくいかなかった事実も、対応と変化につながるなら隠す必要はありません。

伝えるべきなのは苦労の大きさではなく、難しい状況で発揮した能力です。

まとめ

成果を筋道立てて示しながら、重要な場面へ時系列と本人の判断を加えます。

きれいに整理された資料からは、途中の試行錯誤が抜け落ちます。少年漫画の主人公を応援したくなるのは、勝利だけでなく、困難から立ち上がるまでを知っているからです。

だからといって、仕事の全履歴を並べる必要はありません。単なる活動日記になってしまいます。

まず、自分の仕事で方針が変わった場面を一つ選んでください。何が起き、何を知り、どう判断し、その後何が変わったのかを書きます。

論理で成果を理解してもらい、物語で成果を生み出したあなたを知ってもらう。

この二つがそろうことで、「何を達成したか」だけでなく、「なぜあなたがその成果を生み出せたのか」まで伝わる資料になります。

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