ゴホッ!ゴホッ!
大企業病にかかったかもしれません・・・
助けてください。
それはただの風邪だと思いますが・・・
今回は大企業の中から見た大企業病について解説します。
私は、いわゆる大企業と呼ばれる会社で働いています。
大企業で働いているとなんだか感覚がおかしくなってしまう感覚があるんですよね。
そんな気持ちを持つ方も多いのではないでしょうか?
大企業で働くと大きな仕事をすることができます。
でも、大企業病には気をつけないといけません。
一度かかってしまうとあなたの価値を傷つけてしまうかもしれませんよ。
【定義】大企業病とは?
大企業病とは一体どんなものでしょうか?
Wikipediaには以下のように書かれています。
企業病(だいきぎょうびょう)とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことである。
組織が大きくなることにより経営者と従業員の意思疎通が不十分となり、結果として、組織内部に官僚主義、セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義などが蔓延し、組織の非活性をもたらす。社員は不要な仕事を作り出し、細分化された仕事をこなすようになる傾向がある。
フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)“大企業病”より
なんか難しいです・・・
難しいですね。
簡単に説明すると以下の3点にまとめられます。
風通しが悪い
大企業はとにかく多くの部署があります。
自分の横にある部署が何をやっているかもよく知らないなんてことはザラです。
こうなってしまうと他部署が行っている良い活動もわかりませんし、なにより会議が多くなって、ムダな時間を過ごしてしまいます。
意思決定のスピードが遅い
ピラミッド構造がとても大きいため、一つの事柄を決定するだけでも多くの承認が必要です。
他の部署にも関連するようなことであれば、書類がハンコで真っ赤になっていることもあります。
従業員と世間の考え方にズレがある
自分たちはいいものだと思った製品が全く売れない。
これは、世間との考え方にズレがあるからです。
でもそのズレをミスだと認めず、また同じ過ちを繰り返す。
恐ろしい悪循環が始まります。
【事例】大企業病の初期〜末期症状
では、大企業に勤める私が周囲を観察し、また自分でも体験することで分かった大企業病にかかっている人の症状について解説します。
初期症状 〜かかりはじめ〜
初期症状としては以下のようなものが挙げられます。
- 決められたルールに従うようになる
- 危機感がない
- 何をするにも前例、他の事例を探す
- 会社のグチばかり言う
こういった症状が出始めると大企業病にかかり始めています。
ルールに従い、チャレンジをする精神が失われ始めているのが分かりますよね。
中期症状 〜まだ間に合う?〜
初期症状で手を打たず、症状が進行してしまうとどうなるでしょうか?
- 決められたことだけを淡々とこなす(現状維持を求める行動)
- 頑張っても頑張らなくても同じだと思い出す(向上心の欠如)
- 人の責任にする(責任転嫁の精神)
- 挑戦をしなくなる(チャレンジ精神の欠如)
ルールだけを守り、そのルールを破る人を叩き、部署間で仕事の押しつけあいをする。
上司にゴマをすって昇進している人の姿を見て、向上心がなくなり、決められた仕事だけを淡々とこなす。
こうなってくるとそろそろ危ないですね。
末期症状 〜これであなたも立派な大企業病〜
末期症状まで来ると、なかなか治すのは難しいかもしれません。
大企業でしか働いたことのない人の中には、以下のような人が誕生しているはずです。
- 目標が「現状維持」になる(波風たてないおじさん)
- ルールが絶対になる(ルールおじさん)
- 口だけ達者で、自分で動かない(論破おじさん)
- 人にものを頼むのが当たり前になる(くれくれおじさん)
ルールの中でのみ生き続け、挑戦をしてこないという生活をしてきているため、外の世界で戦っていけないような人材となってしまうのです。
そんな人になりたいですか?なりたくないですよね。
あなたもそうなる前に、なにか対策をうたないといけませんよ!
【原因】なぜ大企業病にかかるのか?
ではどうして大企業病が生まれてしまうのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
安定した業績
大企業は、よくも悪くも業績が安定しています。
業績が安定すると、人はどうしても危機感がなくなってしまいます。
結果として、新しいことを始めるよりも現状維持を好むようになります。
とりわけ日本では、「出る杭は打たれる」と言われるようにもともとチャレンジする人の足を引っ張る文化が根強いかもしれません。
危機感を持てば、そんなことにならないかもしれませんが、
業績が安定しているので、周囲と違うことをしてまでチャレンジする必要がない
という状態を生み出します。
がんじがらめのルール
ありとあらゆることがルールとして決まっています。
ルールが決まっていること、それ自体には問題ありません。
問題なのは、そのルールが設定された目的も理解せずに行動を続ける癖がついてしまうことです。
メールを送信するときのセキュリティを例にあげてみます。
もしかすると誰かが機密情報をうっかりメールで送ってしまうというミスを防ぐためにできたルールかもしれません。
目的意識を持たずにルールだけをただただ守り続けると、技術が進歩してリスクも低減されているのに、そのルールを守り続けます。
情報漏えいを防ぐことが目的だったはずなのに、いつしかルールを守ることが目的に変わる。
そのルールを変えようにも多くの部署が関わるため、全く変えられないし、変えようとする気力すら失ってしまう。
自分たちで決めたルールによって挑戦する人を失ってしまうことが大企業病を生み出す大きな要因の一つです。
世間との壁
会社が大きいため、自分とお客様との距離が遠くなっていきます。
お客様との距離が遠くなってしまうと、自分の周囲のことしか考えられなくなり、相手に価値を提供するという企業が持つ本来の目的から遠のいていきます。
結果として、お客様の方向を向いた仕事ではなくなり、上司の顔色ばかり伺ってゴマをすったり、社内の調整をしてばかりということになります。
また、自分たちの部署だけでも大きな組織です。
自分の周りが世間の考え方と同じという誤った考え方が醸成されていき、時代に取り残されるなんてこともあるかもしれません。
世間と会社の壁が高く、認識のズレを修正しづらいという点が、大企業病を生み出す大きな要因となっています。
【対策】大企業病の防ぐために|個人でできる方法
インターネットで調べてみると、以下のようなものが挙げられています。
いや、これ個人でできませんよね・・・
世間一般的に言われているような大企業病の対策は、個人では全く対応できません。
「よーし、人事制度の見直しだ!」とはなりませんからね。
外の世界とつながること
個人でできるこというのはそう多くはないかもしれません。
というか、もはや一つの方法しかないと断言できます。
外の世界とつながると色々なことが分かってきます。
特に大事なのは、世間の流れを常に変わっているということ。
- 発信する(SNS・ブログ・YouTubeなど)
- 社外のセミナーに参加してみる
- 昔の友だちに会う
なんでも構いません。
ただ、この中でも私は「発信する」をおすすめします。
- 自分の考えを発信すると、世間の反響が分かる(モノサシのズレの認識)
- 発信するために勉強する(モノサシの修正)
- 勉強した結果をさらに発信する(認識を合わせていく)
世間との認識のズレを修正しながら、自分のスキルを向上させる。
この好循環を回すことが、大事なポイントです。
私の周りにブログやTwitterを熱心にやっている人は全くいません。
でもいざ始めていると、そんな人がたくさんいることが肌で分かりましたし、自分の能力の低さを認識することができました。
最初は落ち込みましたが、改善する幅があるとポジティブに捉えて前進できます。
自分で発信しながら、認識のズレを修正していくことが、大企業病を個人で克服・予防できる唯一の手段ではないでしょうか。
(参考)海外赴任での経験
海外と比べてみるとどうでしょうか?
私は、1年間海外に赴任した経験があります。
結論から言うとほとんど変わりません。
大企業と呼ばれる会社の中では日本でも海外でも同じことが起こっています。
大きなピラミッド構造をとる会社はどこも同じみたいですね。
ただし、違いはあります。
それは、働いている人の「自分のために」という意識が強いこと。
また、「ルールは絶対に守るもの」という意識は日本に比べて低いことです。
「会社のために」残業を繰り返すなんてことはほとんどありませんし、
適度にルールを変えようとする動きをしていました。
日本人は、秘密の給料をもらっているに違いない。
残業でそんなにお金ももらえないのに働く人なんているはずない
と言われたのは懐かしい思い出です。
【本】大企業病に悩んだときにおすすめの本
そんな大企業病に悩んだときにおすすめしたい本の紹介です。
本を読むことも外の世界とつながることができる方法の一つです。
自分と違う考えを取り入れることができます。
ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則/(著)ジム・コリンズ 日経BP社
偉大だと呼ばれる企業は他の企業と何が違うのか?ということが様々なデータを元に書かれています。
とても有名な本なので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
どちらかといえば経営者の視点に立った本なので、すぐに自分の行動にうつすというのは難しいかもしれませんが、ただただ今のまま過ごしてはいけないという危機感を持つことはできるはずです。
仕事はもっと楽しくできる――大企業若手 50社1200人 会社変革ドキュメンタリー/(著)ONE JAPAN プレジデント社
大企業に勤める若手の有志が集まってできた団体であるONE JAPANの活動について書かれています。
大企業に勤めながらも、社内・社外とつながり、経営陣を巻き込み、活動を進めてきた団体の姿や活動を学ぶことができます。
別に仕事をやめることはないんです。楽しくするためには、こんな方法もあるのかということを知ることができ、とても参考になります。
(自分には、まだまだできないかもしれません笑)
生産性/(著)伊賀泰代 ダイヤモンド社
成長するとは生産性を向上させること。
個人でも会社でも「生産性を向上する」ことが最も大事なことであると伝えてくれる本です。
日本のホワイトカラーの生産性の低さに警鐘を鳴らし、組織の生産性を向上させるための手法についても具体的に書かれています。
大企業病に悩む方であれば、ぜひとも読んでいただきたい一冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、大企業に勤める一介のサラリーマンである私が、大企業病の症状・原因と個人でできる対策について解説しました。
大企業病にかかってしまうと、変化の早いこの時代に取り残されてしまいます。
まずは、自分の現状を認識し、少しずつでも改善していくことが重要です。
最後におさらいです。
- 大企業病とは?
- 風通しが悪い
- 意思決定のスピードが遅い
- 従業員と世間の考え方にズレがある
- 大企業病の症状(初期〜末期症状)
- 大企業病の原因
- 安定した業績
- がんじがらめのルール
- 世間との壁
- 個人でできる大企業病予防法
- 外の世界につながること=発信すること
- おすすめの本
大企業病はどんな組織もかかってしまう可能性があります。
今回説明したポイントを意識して、個人でも予防策を行っていきましょう。
以上です。
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